RANKING シーズン1が終わり、ちょっとの間の休憩期間となっているゼノンザード。
シーズン1の結果を見ると、無色系、特に《『双の鼠戦士』ツイン》《瞬身のハヤテ》を組み合わせたビートダウンや《ブラック・フレイム》による押し込みワンショット等が目立ちました。
有色を使用しても、結局フィニッシャーは《ブラック・フレイム》だったりと、無色のカードの強さを再確認したシーズン。
このあたりにナーフによるテコ入れが入るのではないかと予想していましたが、どうやらバンダイさんは別ベクトルの方法でこれらのカードに対して調整を行うようです。
それが「既存カードの無色メタ化」
現状あまり使用されていないカードを無色メタカードとすることで、相対的に無色デッキを抑え込もうという魂胆でしょう。
この判断がどうなるかは次のシーズンが始まってみないと分かりませんが、面白い試みではあると思いました。
前置きはさておいて、早速その内容に触れていきます。
強化カード一覧
「針を進める者」クロノリオンヌ
<変更前>
BP 400
【常時】
自分の手札にある有色のカードのフリーコストを、お互いの破壊されたフォース1つ毎に1減らす。
<変更後>
BP 500
【常時】
自分の手札にある有色のカードのフリーコストを、自分のフォース1つ毎に1減らす。
【常時】
相手の手札にある無色のフィールド・ミニオンカードのフリーコストを1増やす。
今まではフォースが破壊されていないと6/400/2の超貧弱バニラでしたが、変更後は破壊されていないフォースを参照するので、フォースを適切に守れていれば常時2コスト軽減できるシステムミニオンと変貌。
さらに、相手の無色ミニオンのコストを1つ増加させる効果を付与されました。
これによって自身はコスト軽減によるテンポ加速、相手はコスト増加によるテンポ悪化と、ひたすらに相手のテンポに負担をかけるミニオンと化しました。
6コストなので《スフィンクス》で守ることはできませんが、無色ミニオン最大の敵である《雷龍ライトニングフォール》のコストも増やすことができるので、相手の選択肢を少し狭めることができます。
《「千年杉」ヤクーツォーク》のような早期召喚すればめちゃくちゃ有利になるミニオンと併せて使用したいですね。
あと、忘れがちですがこのカードはマジックのコストも軽減できるので、もしかすると青と相性が良いかもしれません。
ただ、無色ミニオンのコストは減らせないので注意。
ちなみに、私は以前にもこのカードのバフを提唱していましたが、ようやくって感じです・・・。
「神餐の担い手」ジューリオ
<変更前>
コスト:5(青2・無色3)
BP 500
<変更後>
コスト:4(青2・無色2)
BP 600
最新弾からもバフ対象。
5/500/1はこの環境ではやっていけませんね。
《『双の鼠戦士』ツイン》に一方を取られ、《瞬身のハヤテ》とも相打ちしかできないサイズだとどうしても盤面が弱くなってしまいます。
移動権を多用するデッキであれば有用な効果を持っていただけに、サイズがかなりのネックになっていましたが、そのあたりにテコ入れが入りました。
4/600/1であれば最悪の場合ちょっと大きめのバニラとしても使用できますし、移動権を多用するのであればマナ数をちょろまかせる良いカードです。
使用率の劇的な上昇、とまではいかなさそうですが、それでもこの性能であれば「ちょっと使ってみようかな」と思わせますね。
妥当な調整課と思います。
「赤髭」ブラッド・ヒュージー
<変更前>
コスト:7(赤3・無色4)
<変更後>
コスト:6(赤3・無色3)
コストが6になって後攻先出がしやすくなりました。
が、本心はそこではなく、公式でも以下のように発表されています。
【変更の経緯】
https://www.aicarddass.com/zenonzard/information/news_0122_2.php
「『赤髭』ブラッド・ヒュージー」は、コストを6に下げる事で「ブラック・フレイム」をブロックできるようにしつつ、「『炎の国』アグマ」デッキ本来の強みである速攻性を強化しました。
「こいつで《ブラック・フレイム》対策してね!」ってことらしいです。
・・・正直《ブラック・フレイム》をメタるのであればこのカードなんか使わずに《暴風竜ストームギラ》とか使うよなあ。
まあ、《ブラック・フレイム》対策はコスト軽減の副産物的な感じと意識しておけばよいですかね。
単純なバフは嬉しいですが、これでこのカードが使われるようになるかというと・・・
う~ん・・・
あと、マナ拘束は相変わらず厳しいです。
どうせなら赤マナを減らしてくれればよかったのに・・・
「紅の鼠騎士」スカーレット
<変更前>
【召喚時】
自分の[加護]が付与されているミニオンがいる場合、自分はカードを1枚引く。
<変更後>
【召喚時】
自分の[加護]が付与されているミニオンがいるか、自分のベースに[加護]を持つマナがある場合、自分はカードを1枚引く。
加護ベースミニオンがマナにいるだけで効果が発動するようになったので、加護を付与するというタイムラグがなくなったのは良いですね。
加護を付与しようとするとどうしても移動権を使用しないといけない都合上試合後半になってしまうので、それまでこのカードが腐ってしまうことが多々ありましたが、それを解消できています。
ただ、加護ベースのサーチ方法が現状フォースを割られたときか《「箱を抱く者」パンドリア》によるサーチのみなので、安定して効果を発動できるかというとちょっと微妙です。
加護ベースミニオンを大量に積むデッキ、例えば緑デッキ等であればうまく利用できるかもしれませんが・・・
取り回しはしやすくなったので、効果発動できない状況はベース移動用と割り切って運用するのが良いかもしれませんね。
ペルチャルシー
<変更前>
【常時】
自分の緑マナが5つ以上ある場合、このミニオンをBP+200/DP+1する。
<変更後>
【常時】
自分の緑マナが4つ以上ある場合、このミニオンをBP+200/DP+1する。
【相手のターン】
自分のプレイヤーか自分のフォースに与えられる無色のミニオンからのダメージを1軽減する。
βテスト以前、それこそ応募者全員デッキ配布から登場していたこのカードですが、ついにテコ入れが入りました。
まずは色マナ条件の緩和。
最近のデッキだと有色マナがベースに5枚あることなんて超後半、デッキによっては有色マナが5枚もベースに埋まることなんて発生しないこともあります。
そういった環境推移の中、有色マナ5つは発動条件として厳しすぎるとしての緩和でしょう。
正直4つもなかなか厳しいと思っていますが、緑は有色マナをデッキからサーチして埋めるカードが多いのでそのあたりは他のデッキよりも達成しやすくなってそうです。
で、本題。
このカードの一番の変更点は無色カードに対してのメタ効果。
無色ミニオンから受ける全てのダメージを1軽減するという超防御性能。
こういう効果ってプレイヤーへの攻撃ダメージのみなことが多いのですが、
なんとこのカードは無色限定ながらフォースへのダメージ、そして効果ダメージも軽減してしまいます。
これにより、無色ミニオンに頼っているデッキ(ツインハヤテ)や、フィニッシャーを《ブラック・フレイム》に一本化しているデッキ(カナタナ馬)なんかは結構なダメージを負うことになるでしょう。
このカードの登場によって、
緑→無色(馬)→白紫黄等→緑
みたいなメタが回ると良いですね。
現状は緑は無色デッキに対して【貫通】を利用したカウンターぐらいしか生き残る術がなかったので・・・
コントロール寄りの戦術が取れるようになったのは緑使いにとってもかなり大きいのではないでしょうか。
まとめ
- 現状猛威を奮っている無色デッキや《ブラック・フレイム》へのナーフはなし
- ただし、無色メタとなるミニオンがバフ調整により出現
- 今回のバフ対象は5枚。そのうち2枚は露骨な無色メタ
《「針を進める者」クロノリオンヌ》と《ペルチャルシー》に関しては、まったく違うカードに生まれ変わったと言っても過言ではないでしょう。
特定のカードをナーフするのではなく、現状あまり使われていないカードを環境メタとして生まれ変わらせることで環境調整をしようという姿勢は個人的には非常に好感が持てます。
他のDCGではあまり見られない環境への切り口ですが、この調整が吉と出るのか凶と出るのか。
シーズン2も非常に楽しみになってきました。
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