さて、今回もやってきました。MTG新弾の時期になります。
今回はMTGきっての不人気次元『神河』をフューチャーしたエキスパンションとなりますが、
不人気だった次元の世界設定を数千年後にすることで、
不人気要素を排除しつつ再訪するという力業を使ってきたウィザーズには驚きです。
そして、カードギャラリー一覧を見ていたのですが、
このセット、カードパワーがかなり高い。
ストリクスヘイヴンやフォーゴトンレルム、そしてイニストラードもパッとしないカードが多かった中、
このセットはコモン、アンコモン枠もかなり強力なカードが散見されます。
逆に言うと神話レアがちょっと微妙感ありますが・・・
と言うわけで、今回も色々とピックアップして見ていきましょう。
注目カードTOP10
10位. 攪乱プロトコル
いきなりコモンカードの紹介となります。
今回の確定打ち消し呪文枠のカードですが、条件を満たせば《対抗呪文》として使うことができます。
その条件とは「アーティファクトを1枚タップする」こと。
アーティファクトを多用するデッキではかなり緩い条件だと思われますし、
そもそも3マナ使って従来の確定打ち消しとして運用もできるので、
青が絡むアーティファクト軸のデッキではよく見られることになるでしょう。
また、同セットには同じ青ダブシンでクリーチャーを確定打ち消しできる《本質の把捉》があります。
現スタンダード環境には2マナのクリーチャー打ち消し呪文はこのカードしか存在しないため、
環境によってはこちらの呪文も使われることがありそうです。
9位. 銀毛の達人
2マナの忍術サポートクリーチャー。
「ああ、よくあるキーワード能力のコストを軽減するやつか」と思ったら
何かこいつロード能力持ってるんですけどォ!!!???
スタッツも2/2と標準の癖にロード能力持ち、しかもついでのように「ならず者」も強化する
忍術アーキタイプのデッキにはまずこのカードを4投するところから始まりそうです。
惜しむらくは、このカード自体が忍術を持っているが上手くいかせない点、
そして回避能力を持っていないので忍術元としてはちょっと使いづらい点ですかね。
それを差し引いても十二分に強力なシステムクリーチャーだと言えるかと思われます。
伝説でないので横並べ出来るのも優秀な点ですね。
日本アートの方は老兵っぽさが増していてかなり好みです。
8位. 鏡殻のカニ
コモンのカニさん。
クリーチャーとしては7マナ5/7で護法を持っているだけの準バニラですが、
こいつの真価は「魂力」能力にあります。
3マナ使用することで呪文だけでなく「能力」を打ち消しにかかることが可能。
スタンダード環境では唯一の起動能力や誘発能力を打ち消せるカードとなります。
そして魂力自体は起動能力のため、他の打ち消しで打ち消しづらいという特徴があります。
また、能動的にクリーチャーを墓地に送れるので、リアニメイトデッキや墓地利用デッキに採用しやすいという点も魅力的。
確定打ち消しではないため後半使えない場面が出てくるかもしれませんが、それを差し引いても唯一性の高いカードのため、よく見ることになりそうです。
本エキスパンションではサイズの大きいクリーチャーに魂力が付いていることが多いため、
リアニメイトデッキ等墓地を利用するデッキが少し復権するかもしれませんね。
特に面白そうなのは上のカニと《大狸》《巨大な空亀》
どちらも優秀な魂力能力を持っており、サイズもでかいので
シミックランプやスゥルタイリアニメイト等、面白いデッキが組めそうです。
7位. 勢団の銀行破り
通称「歩く秘本」。あの良カード《精神迷わせの秘本》を思い出すカードデザインです。
占術こそはないものの、最大3枚ドローをすることができ、さらに条件を満たせばトークンを生み出すことも可能。
ドロー系置物にありがちな「アドバンテージは取れるけどテンポで負けた」みたいなことをある程度緩和してくれます。
自身がコントロール向けの能力を持っている上にクロック源にもなれるので、
コントロール系デッキ全般で見かけることになりそうなアーティファクトでしょう。
無色なのでどの色でも採用しやすい点はかなり優秀な点かと思います。
本セットには他にも優秀なアーティファクトが多数収録されており、
その中でも《継ぎ接ぎ自動機械》《隔離用構築物》は下環境でもワンチャン採用されるレベルの強さ。
他にも優秀な機体カードなども多数衆力されているので、もしかすると《見捨てられた碑》を利用した
無色単みたいなデッキが誕生するかもしれません。
6位. 告別
問題の全除去カード。
まず効果ですが、書いてある4つから任意の複数を選択し、全部追放します。
・・・は?
追放なので死亡誘発は発生せず、そして破壊不能も効きません。
呪禁も全体除去なので意味を成さず、そういう意味ではいかなる破壊耐性が効かないラス、となります。
さらに、追放するパーマネントの種類は選択できるので、自分に有利な状態で場を残すことも可能です。
そして極めつけは取ってつけたような「墓地追放」
コントロール系デッキで厄介な相手である墓地利用(除去して息切れを狙おうとしても墓地からアドバンテージ回復されるので)に対して、
ごくごく自然にこのカード1枚で対策できてしまいます。
今までサイドから墓地対策カードをサイドインしたりしていたのですが、
このカードのおかげでメインから無理なく墓地対策をすることも可能となりました。
6マナという重さ、そして自身のパーマネントも追放してしまうというデメリットもありますが、
それを取っても優秀なラス呪文でしょう。
《ドゥームスカール》と同様、今後コントロールでよく見るカードとなりそうです。
日本版イラストは「藤ちょこ」先生が手掛けております。
好きなイラストレーターさんなのでMTGAでは速攻で日本アート解禁したい。
5位. 漆月魁渡
神河次元の新しいプレインズウォーカー《漆月魁渡》さん。イケメン。
優秀な忠誠能力をプラスで起動することができる上、出したターンにフェイズアウトするという
忍者っぽい能力も持っています。
攻撃しているとドローができる能力は「忍術」と組み合わせが非常によいですね。
また、ブロックされないトークンを生み出すのも「忍術」と相性がいいため、
忍者デッキをサポートする目的で作成されたカードだと思われます。
3マナのプレインズウォーカーなので軽く使いやすい点、軽い割には悪くない忠誠能力、
そして確実に2回起動能力が使える点等、弱い点は特に見当たらない、隙のないPWに仕上がっているかと。
+1能力はルーティングとしても使用できるので、墓地利用にも採用できるのが嬉しいところ。
昔、《背信の王、ナーフィ》を利用した氷雪ディミーアコントロールというデッキがありましたが、
優秀なルーター、そしてリソース源としてこのカードを採用して組みなおしても面白そうです。
優秀な打ち消し呪文も増えましたしね。
そして能力以上に話題になっている日本アート。
なんと「北斗の拳」で有名な「原哲夫」先生が手掛けたイラスト版が存在します。
「天野リリアナ」等と同じで、時が経つと高騰するかもしれませんね。
4位. 肉体の裏切者、テゼレット
アーティファクトの扱いに長けているテゼレットが神河次元にて登場。
確かに数千年経って文明が進んだ神河はアーティファクトも多くテゼレットが好きそうな次元ですしね。
4マナで初期忠誠度4と標準的な固さでありながら、+1でリソース補充、-2でクロック生成が可能。
先に言っていましたが、神河次元は優秀なアーティファクトが多いのでどちらの能力も腐りづらいのが嬉しいところ。
また、クリーチャー化したアーティファクトは《肉体の裏切者、テゼレット》が場を離れてもクリーチャーのままなので、
引き続きクロック源として利用し続けられるのは嬉しい点です。
そして、常在能力についても《勢団の銀行破り》の起動を無料で使えたり、
マナフィルター能力を持つアーティファクトがマナファクトとして使えたりと
意外と活躍する場面が多いかもしれません。
青に優秀な打ち消しが増えた、そしてアーティファクトに優秀なクロック源が増えたこともあり、
もしかしたらこのカードや《ウォーターディープの黒杖》等を利用した青茶コンみたいなのが組まれそうですね。
事実、私も一番最初に組みたいのは青系アーティファクトデッキです。
3位. 調和の織り手
なんでロード能力持っているんだ系パート2
しかも伝説でもない。複数枚並べられるカードとしては破格の性能を持っております。
特徴的なのは起動能力。
エンチャントの起動や誘発をコピーできるのですが、それにかかるコストが何と1マナ。
強力な英雄譚である《古き神々への拘束》や《トロールの喚起》の誘発だったり、
《レンジャークラス》のようなクラスエンチャントの誘発もコピーできたりします。
ですが、このカードの真価はやはり「エンチャントクリーチャーでありエンチャントロード」であることでしょう。
スタンダード環境と言うよりはヒストリックやパイオニア等、エンチャントレスが組める環境だと
かなり重宝しそうな能力です。
同セットに存在する《無常の神》とは好相性。
惜しむらくは《無常の神》自体がエンチャントではないことでしょうか。
まあ、これがエンチャントだったら自身でループするんで意味不明なことになりますけど。
2位. 耐え抜くもの、母聖樹 等
神河の伝説土地サイクル。どれもこれも土地とは思えないほど強力な能力を持っています。
特に《耐え抜くもの、母聖樹》はメインからアーティファクトやエンチャント、特殊地形対策を無理なく搭載することができ、
起動マナコストも2とかなり安いのが強みでしょう。
《恐怖のドールハウス》等の重いアーティファクトが土地に破壊されたりすると精神的なダメージは計り知れません。
その次に強いと思っているのが《皇国の地、永岩城》。
こちらも起動コスト3と安めでありながら、与えるダメージは4とかなり高め。
さらに呪文ではないので《スレイベンの守護者、サリア》等でもマナコストが増えません。
というか、何なら伝説のクリーチャーなので減る。
他の土地も、土地につけるには強力な効果を携えております。
そしてなんとこの土地、効果付きの土地によくあるタップインがありません。
アンタップインで色が出る土地なので、基本土地と入れ替えてもほぼ0ダメージ。
伝説なので複数枚並べることはできないのですが、1枚だけ基本土地と入れ替えるのであれば全く影響はありません。
これだけ入れ得な土地は他にはないでしょう。
最低でも各色1枚は絶対に手に入れておかないといけないカードでしょう。
1位. 暁冠の日向
ジェスカイ色の伝説クリーチャー。スピリットなので神河次元のなんかしらの神なのでしょうか。
4マナ4/4で飛行トランプル持ちとこの時点でそこそこ強いのですが、
なんとこのカード、自分の呪文コストを下げ、相手の呪文コストを上げるという
なんかよく分からない能力を持っています。
このカードでできることは
- 自分の呪文のコストを下げることで妨害札を構えやすく
- 相手の呪文のコストを上げて疑似除去耐性
- その上に4点飛行クロック
・・・コントロールに欲しい能力全部持ってるじゃねえか!
対象を取る呪文のみなので、ドローや全体除去等には効きませんが、
それでも十分な妨害能力を持っています。
また、ジェスカイ色なので現スタンダード最強ドロー呪文の《表現の反復》を採用できること、
打ち消し等も無理なく積めること等、コントロールに必要な要素が詰まりまくっています。
《マグマ・オパス》を2マナで唱えられるとすでに有名ですが、単純に4マナぐらいで唱えられるだけでも十分に強いですし、
《マグマ・オパス》で宝物を生めるのでこのカードを早く出すことも可能です。
相手の呪文のコストを上げられるので、《ジュワー島の撹乱》をある程度後半でも使えるようになるのもジェスカイコントロールとしてはありがたいですね。
自分としてはジェスカイコンをTier1に押し上げることができるのではないか、と考えてしまうほど
カードパワーの高い1枚だと思います。
まとめ
今回のセット、
コモンからレアまで、かなりカードパワーが高いです。
コモンでも構築級のものがあったり、リミテでボムになりそうなアンコモンがあったりと
環境が激変しそうでかなり楽しみなエキスパンションと思いました。
個人的には今のイゼット天啓がいなくなった混沌とした環境も好きなのですが、
やはり定期的に環境が変わらないとカードゲームは楽しくないですからね。
また、今回はスタンダードだけではなく、下環境にも影響を及ぼしそうなカードが結構ありました。
下環境プレイヤーにとっても要チェックなエキスパンションになっているのではないでしょうか。
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